常任委員のつぶやき

三輪田でつながる芸術の輪

3月11日、有楽町の交通会館1Fパールルームで行われていた「LIFE展」にお邪魔してきました。

名前を変えながらも、11年前から開催されている由緒正しいLIFE展に参加されていらっしゃる作家さんたちのうちふたりが松操会の会員さんです。かつて「常任委員のつぶやき」にも登場していらっしゃいます。さて、誰でしょう?

ヒント:綺麗な色で描かれた龍のイラスト。筆のタッチが繊細で、色使いが和風です。





そして美しいガラスの芸術品がずらり。

LIFE展の「LIFE」は生き物を意味しているので、動物ばかり集めたそうです。

こちらにも今年の干支である龍がたくさん展示されています。

ヒント:もう言わなくてもわかってしまうかな、な、つぶやきに多数登場していただいている作家さんです。





そうです。ガラス作家の39回キタガワアキコさんと、日本画家の40回坂部恵子さんでした♪

こちらのおふたり、もともと谷中で開催されている芸工展で顔見知りだったそうなのですが、最初はお互いが三輪田学園出身だと知らなかったそうです。

その事実が判明したキッカケというのが、なんと嬉しいことに松操会誌だったということを今日初めてお聞きして大盛り上がり。

最初に坂部さんが松操会誌を見て「あれ?この人、キタガワさんに似てる。ガラス作家と書いてあるし、えー!キタガワさんだ!」とビックリされたことから始まりました。でもすぐに問い合わせないのが坂部さんのお茶目なところ。

次に芸工展の準備で顔を合わせた時、坂部さんが引き戸をカラカラと開けながら「ねえ。39回〜〜〜?」とキタガワさんに聞いてきたそうです。咄嗟に何のことだかわからなくて驚くキタガワさんに「わたし、40回〜〜〜」と笑いをこらえながら伝え「えーーー!三輪田生!?」と驚きあったということです。

坂部さんはご自身がビックリされた分、キタガワさんにもビックリしてほしかったそうです。その気持ち、わかります!

そんなおふたりが初めて同じ展覧会で作品を並べあうことになったのが今回のLIFE展。

もともとは坂部さんが参加していたWild Life Art協会の開催する野生動物の絵画展から名前を変えて続けているというLIFE展、女性だけのメンバーで自由に動物の作品を展示されているそうです。去年、坂部さんがキタガワさんにDMを送り、来てくださったのをキッカケに「これは脈あり!」と誘ってみて、写真の松操会コラボゾーンが実現しました。なんて楽しい関係!





こちらは、坂部さんの描く谷中猫の絵です。

美しく妖しいけどユーモラスな坂部さんの絵は、全て「見たもの」そのままを描かれているそうです。寝ているメジロや草葉に隠れる猫など、少し不思議な風景の絵が多いのですが、すべて坂部さんが実際に自分の目で見た風景なのだとか。

今回は学校が休みに入っていた鉱石好きの娘といっしょにお邪魔していたのですが、日本画は鉱石で作った顔料が多いので、たくさんの知識を教えていただき、娘が感動していました。

鉱石と共に神話が好きな娘が前日に観たスーパー歌舞伎『ヤマトタケル』の話を始めたところ、ヤマトタケルノミコトが山の神の白い雹に攻撃されたシーンについて、実は山の水銀を多く含む鉱石にやられたのかもしれないという新解釈まで教えてくださいました。坂部さんと娘が「水銀の鉱石といえば、辰砂 (しんしゃ)だー!」と喜んでおり、とても嬉しかったです。ありがとうございます!





こちらはキタガワさんの龍です。

色が華やかで顔も目がクリクリしてとても明るいのに、なぜか郷愁の思いを胸にポトリと落としてくれる不思議な龍です。

夕暮れの空を見上げた時に「雲の色が綺麗」と感動して作られた龍だそうです。その雲の後ろにはきっとこの龍がいたに違いありません。

龍の背ビレ(と呼ぶのでしょうか)がとても細かくてどのようなことを注意して作っているか伺ってみたところ、炎をあてて柔らかくなったガラスで形作るのに、熱しすぎても冷め過ぎても失敗してしまうためタイミングが大事だと教えてくれました。

坂部さんにお聞きすると、立体作品があると展示会に奥行きが出て華やかになるそうです。来年は他の展示会があるのでキタガワさんは参加されないそうなので、この素敵なタイミングにお邪魔できて本当に良かったです。

39回のキタガワさん、40回の坂部さん、37回のわたし(と中3娘)は、テーブルでずっとお話していたのですが、話が尽きず席を立つのも名残惜しくて「この感じ!めちゃくちゃ三輪田ぽくて楽しい!」という意見で一致しました。全員が回も違い、在校中にはお会いしたこともない関係なのに、やはり「誠のほかに道なし」の心で繋がっているのでしょう。

また素敵な作品にお会いできることを楽しみにしています!

yoco.y


ガラス作家 キタガワ アキコ

<ホームページ>

https://www.kitagawaakiko.com/

<インスタグラム>

 @bathakiglass
https://www.instagram.com/bathakiglass/

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

日本画家 坂部恵子

<インスタグラム>

 @toripicho
https://www.instagram.com/toripicho/

 

門馬英美さんが見つめる東京の街

去年の暮れ、代官山で素敵な絵と出会いました。

代官山の駅を出て、エスペラント通りを右に歩いて行きます。この通り、昔はキャッスルストリートと呼ばれていたはず……と思いながら歩いて行くと、見えるはその名前の由来となった古き良きビンテージマンション・キャッスルマンション。

その1階にポッと灯をともしたようなギャラリーがありました。ギャラリーの名は「Gallery 子の星(ねのほし)」さん、展覧会名は「TOKYO×PRINT×LANDSCAPE 2023 緑の電車で旅をして」と書かれています。

ガラス越しに見える青と緑のどこか懐かしさを感じられる版画、松操会会員の皆さま、見覚えがありませんか?

そう、松操会誌の表紙でもお馴染みの版画作家・門馬英美さんのグループ展にお邪魔してきたのでした。

54回卒業の門馬さんは三輪田学園卒業後、武蔵野美術大学油絵学科の大学・大学院に進まれ、大学時代ともに版画を専攻されたハットリアイコさん、吉田庄太郎さんと2016年に「東京会20160229」を発足、それ以来こちらのGallery子の星さんでグループ展をなさっているそうです。


展覧会風景:「TOKYO×PRINT×LANDSCAPE 2023 緑の電車で旅をして」Gallery子の星/ 2023年
 

(さらに…)

近松門左衛門没後300年とのことで


近松門左衛門没後300年に因んでの演目が行われるとのことで、3月初旬、京都四条南座「三月花形歌舞伎」へ参りました。




出演は、中村壱太郎、尾上右近、中村隼人、他大勢のみなさま。



松プログラムを月の前半の午前の部に、桜プログラムを午後の部に、そして月の後半には逆にするという一見複雑な、両方見たくさせる趣向とわかります。
松プログラムは「心中天網島 河庄」、桜プログラムは「女殺油地獄」、そして両方の2番目はそれぞれ配役や衣装を変えた「忍寄恋曲者 将門」。つら(面)あかりという、長い柄のついた蝋燭で顔を照らす演出もありました。

また、冒頭、3人が交代で「乍憚手引き口上」(はばかりながらてびきこうじょう)の中で、あらすじや見どころを語り、南座のマスコットみなみーなという着ぐるみが登場すると、撮影タイムとなりました。
拡散歓迎とのことで、役者さんは手をつないで花道を去って行きましたが、上手に撮れなくて残念。



松プログラムも桜プログラムも、素敵で流石、若々しい迫力がありました。
劇場内には、近松門左衛門が福井県の出身であることから、福井県発行の資料もあってお勉強になりました。

 

美しく趣がある南座の内部

※みなみーなは大提灯なんですよ。詳しくはこちら
 
Y

芸工展、おかわり!

10月末日、再び芸工展に行って参りました。

今回、最終日すべりこみでお邪魔したのは千駄木駅にほど近いWhite Galleryさんの「4人展 〜knot2〜」です。

お名前の通り、真っ白な建物と内装で展示された作品の魅力を際立たせてくれます

さて、どなたの作品に会いに行ったかと言いますと……



ガラス作家の39回キタガワアキコさんでした♪

 

(さらに…)