常任委員のつぶやき
2024年7月2日
松操会でも年に2回、東銀座の歌舞伎座で観劇会を行っていますが、いま銀座や日比谷が歴史ある劇場の街として注目されているのをご存知でしょうか。
歌舞伎座はもちろんのこと、日生劇場や東京宝塚劇場、帝国劇場、シアタークリエなど日夜、多様な舞台や映画を上演している劇場がある街から、「劇場の熱気を、街に解き放ちたい!」「空と緑と共にエンターテインメントが楽める街にしたい!」と、日比谷ミッドタウンが中心となって毎年Hibiya Festivalを開催しているそうです。
ゴールデンウィーク中に行われたHibiya Festival 2024では、ミュージカル、パフォーマンスショー、楽器演奏、伝統芸能など、たくさんの演目が催されますが、その中で注目すべきは「カンゲキ学校」10代向けワークショップ『ひとりごとから詩をつくる』です。10代のためのクリエーションの学び舎「GAKU」さんが主催した、こちらのワークショップ、なんと講師をされているのが、高校60回青柳菜摘さんだったのです!去年、中原中也賞を受賞されたことで注目を集める青柳菜摘さんは、演劇という芸術を「ひとりごと」「詩」という切り口で10代の皆さんに原体験をさせてくれるそうです。
2024年5月8日
2023年の秋にお送りした松操会誌の表紙を覚えていらっしゃいますでしょうか。
去年の会誌の表紙を飾った、艶やかなリンゴが描かれたお皿「実のり」は、37回安藤ルミさんが大倉陶園チャイナペインティングスクールで絵付けをした作品です。
今日はそんな安藤さんの絵付けを拝見しに、同窓生3人と有楽町マリオン11階で行われていた「大倉陶園チャイナペインティングスクール 第16回作品発表会」にお邪魔してきました。
大倉陶園の熟練ペインターの先生たちが、伝統ある描絵技法を基礎から研究まで指導してくださるというペインティングスクールの作品発表会は、さまざまな美しい絵で溢れかえり陶器の花園のようです。
安藤さんの作品は、エレガントなトーンで描く花や鳥が多いのですが、発表会に出展されている皆さんの絵を見ると、人物像あり、風景あり、絵巻風あり、驚くほどにさまざまな画風の絵付けを見ることができます。
陶器に絵を描く同じ絵付でも、描く人の趣味の違いが幅広い画風を生み、絵によってタッチやトーンもそれぞれ違うので、会場を一周しても飽きることがありません。
フラットな陶板の上に安藤さんが描いたのは、ふんわりと春らしいフラワーブーケです。
こちらは安藤さんの描く鮮やかなブルーの翼が美しいコルリのカップです。
海外の画集などで自分が絵付けしたいと思うカットを選び、忠実に絵を再現していくそうです。
大倉陶園の硬質磁器の白生地に絵付けをし、それを焼いていくそうなのですが、その回数は平均4~5回ほど。最初は全体に色をのせて焼き、色の乗り具合を見ながら濃くしたい部分に色をつけ足し、さらに焼くことを繰り返しながらディテールを描き込んでいく、結果として制作期間は半年ほどかかるそうです。
このコルリさんも半年かけて成長したと思うと感慨深いものがあります。
月の光の中でぽつんと佇む鈴蘭を描いたような青いお皿も安藤さん絵付けによるものです。
青の濃淡を美しく表現されたこちらのお皿は、「岡染め」という大倉陶園独特の技法で絵付けしたそうです。
一度焼いた白い生地にコバルト絵具で絵付けをし、再び1460度の高温で焼成します。その高温によりコバルトの青い色が釉薬と柔らかく融合し深みと優しさを加えながら美しい文様を作り上げるといいます。
会場の前で同期が集まってみました♪
いつも絵付けのことをたくさん説明してくださる安藤さん、ありがとうございます!安藤さんのおかげで定期的に集まって素敵な作品で目の保養をさせていただいています。
次回は今月の16日(木)から国立新美術館で行われる「第7回東京アート工芸公募展」に作品を展示されるそうです。安藤さんの描く華やかな絵付けの世界をご覧になりたい方は、ぜひ足をお運びください。
yoco.y
<安藤ルミさんの今後の展示予定>
●第7回東京アート工芸公募展●
会期:2024年5月16日(木)~26日(日) 休館日5月21日(火)
時間:10:00~18:00(入場17:30まで)
会場:〒106-8558 東京都港区六本木7-22-2 国立新美術館 3階 展示室3A
https://www.tartk.or.jp/kokusaikoubotokyoartkogei2024kaisai.html
2024年4月23日
2024年4月14日
3月11日、有楽町の交通会館1Fパールルームで行われていた「LIFE展」にお邪魔してきました。
名前を変えながらも、11年前から開催されている由緒正しいLIFE展に参加されていらっしゃる作家さんたちのうちふたりが松操会の会員さんです。かつて「常任委員のつぶやき」にも登場していらっしゃいます。さて、誰でしょう?
ヒント:綺麗な色で描かれた龍のイラスト。筆のタッチが繊細で、色使いが和風です。
そして美しいガラスの芸術品がずらり。
LIFE展の「LIFE」は生き物を意味しているので、動物ばかり集めたそうです。
こちらにも今年の干支である龍がたくさん展示されています。
ヒント:もう言わなくてもわかってしまうかな、な、つぶやきに多数登場していただいている作家さんです。
そうです。ガラス作家の39回キタガワアキコさんと、日本画家の40回坂部恵子さんでした♪
こちらのおふたり、もともと谷中で開催されている芸工展で顔見知りだったそうなのですが、最初はお互いが三輪田学園出身だと知らなかったそうです。
その事実が判明したキッカケというのが、なんと嬉しいことに松操会誌だったということを今日初めてお聞きして大盛り上がり。
最初に坂部さんが松操会誌を見て「あれ?この人、キタガワさんに似てる。ガラス作家と書いてあるし、えー!キタガワさんだ!」とビックリされたことから始まりました。でもすぐに問い合わせないのが坂部さんのお茶目なところ。
次に芸工展の準備で顔を合わせた時、坂部さんが引き戸をカラカラと開けながら「ねえ。39回〜〜〜?」とキタガワさんに聞いてきたそうです。咄嗟に何のことだかわからなくて驚くキタガワさんに「わたし、40回〜〜〜」と笑いをこらえながら伝え「えーーー!三輪田生!?」と驚きあったということです。
坂部さんはご自身がビックリされた分、キタガワさんにもビックリしてほしかったそうです。その気持ち、わかります!
そんなおふたりが初めて同じ展覧会で作品を並べあうことになったのが今回のLIFE展。
もともとは坂部さんが参加していたWild Life Art協会の開催する野生動物の絵画展から名前を変えて続けているというLIFE展、女性だけのメンバーで自由に動物の作品を展示されているそうです。去年、坂部さんがキタガワさんにDMを送り、来てくださったのをキッカケに「これは脈あり!」と誘ってみて、写真の松操会コラボゾーンが実現しました。なんて楽しい関係!
こちらは、坂部さんの描く谷中猫の絵です。
美しく妖しいけどユーモラスな坂部さんの絵は、全て「見たもの」そのままを描かれているそうです。寝ているメジロや草葉に隠れる猫など、少し不思議な風景の絵が多いのですが、すべて坂部さんが実際に自分の目で見た風景なのだとか。
今回は学校が休みに入っていた鉱石好きの娘といっしょにお邪魔していたのですが、日本画は鉱石で作った顔料が多いので、たくさんの知識を教えていただき、娘が感動していました。
鉱石と共に神話が好きな娘が前日に観たスーパー歌舞伎『ヤマトタケル』の話を始めたところ、ヤマトタケルノミコトが山の神の白い雹に攻撃されたシーンについて、実は山の水銀を多く含む鉱石にやられたのかもしれないという新解釈まで教えてくださいました。坂部さんと娘が「水銀の鉱石といえば、辰砂 (しんしゃ)だー!」と喜んでおり、とても嬉しかったです。ありがとうございます!
こちらはキタガワさんの龍です。
色が華やかで顔も目がクリクリしてとても明るいのに、なぜか郷愁の思いを胸にポトリと落としてくれる不思議な龍です。
夕暮れの空を見上げた時に「雲の色が綺麗」と感動して作られた龍だそうです。その雲の後ろにはきっとこの龍がいたに違いありません。
龍の背ビレ(と呼ぶのでしょうか)がとても細かくてどのようなことを注意して作っているか伺ってみたところ、炎をあてて柔らかくなったガラスで形作るのに、熱しすぎても冷め過ぎても失敗してしまうためタイミングが大事だと教えてくれました。
坂部さんにお聞きすると、立体作品があると展示会に奥行きが出て華やかになるそうです。来年は他の展示会があるのでキタガワさんは参加されないそうなので、この素敵なタイミングにお邪魔できて本当に良かったです。
39回のキタガワさん、40回の坂部さん、37回のわたし(と中3娘)は、テーブルでずっとお話していたのですが、話が尽きず席を立つのも名残惜しくて「この感じ!めちゃくちゃ三輪田ぽくて楽しい!」という意見で一致しました。全員が回も違い、在校中にはお会いしたこともない関係なのに、やはり「誠のほかに道なし」の心で繋がっているのでしょう。
また素敵な作品にお会いできることを楽しみにしています!
yoco.y
ガラス作家 キタガワ アキコ
<ホームページ>
https://www.kitagawaakiko.com/
<インスタグラム>
@bathakiglass
https://www.instagram.com/bathakiglass/
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日本画家 坂部恵子
<インスタグラム>
@toripicho
https://www.instagram.com/toripicho/