常任委員のつぶやき

常任委員のつぶやき

遠くへ行きたい ~寝台車に乗って~

「乗り鉄」「撮り鉄」「飲み鉄」「模型鉄」など鉄道ファンには色々ありますが、私は断然「乗って、食べる鉄」なのです。
時々、「国鉄の」なんて昭和の死語がポロっと出てきてしまいます。(E電なんて呼び方もありましたね)車両はレトロなものも最新型のカッコいいのも両方好きです。それに加えて、美味しい駅弁やグルメ列車には、一食抜いて参加するような意地の汚さなのです。
 
今回は、GW直前にまさかの夜行寝台車のチケットを1枚ゲット。既に前後に予定があったので、東京~出雲市までほとんど<とんぼ帰り>の日程です。
当日は、クリアファイルに大切に挟んだチケットを朝からニヤニヤ眺めて1日をやり過ごし、帰宅後シャワーを浴びてリュックを背負って、勇ましく夜の東京駅へGO!
 

平日のわりに賑わう東京駅構内の店をひやかしてからホームへ上がったら、既にシャワーカード争奪戦の行列。今回は参戦しないので、ゆっくり先頭車両から最後尾までしっかり観察して(それ、毎回必要ある??)、余裕をもって車内へ乗り込みましょう。


 
 廊下を挟み両側に個室が並ぶ。お静かに!
 
本日のマイシート(ルーム)は、「サンライズ出雲」の「シングルツイン」。2段ベッドになっている部屋を1人で利用するという、セレブ使用です。(更にその上の値段のA寝台シングルデラックスもありますが、部屋数12はますます入手困難)
入室して、鍵を閉めて、備品(全て2人分)を確認していると、車掌さんが検札に来ましたよ~♪
「お一人ですね」と確認され(日常でもよくある場面です)、ドアを閉めたら明日の朝までここは誰にも邪魔されない私の小さなお城です。


 
 右側に急階段あり。寝巻もスリッパも完備

 飲料自販機はありますが、13時間後の出雲市着まで食料の調達は難しいので、夜食と朝ご飯をしっかり調達済み。ついでに、その時にスーパーで見つけたお赤飯もあり「お祝い」モードが高まります。

今夜は、1階部分のシーツをめくってソファに作り直し、2階部分で寝ることに決定。時間はそろそろ22時近く。窓の外に目をやるとホームに並ぶ帰宅の人たちと何となく目が合います。「労働者諸君、今日も1日お疲れ様!」と偉そうにつぶやき、違いがわかる女が缶コーヒーをぐびぐび味わうと列車はゆっくり発車して、一人の宴会が始まりました。


 
 おっとセレブの食卓に20%引きの赤札が!

 時刻表を見ながら、お菓子をわしゃわしゃと食べたら、2階に上がり寝っ転がって体をグリグリほぐし、車内の電気を消してカーテンを全開に。カーブを描いた高い窓から夜の景色を眺めると、東海道線で見慣れているはずの街並みが、流れるビルのネオンや小さな星がキラキラと瞬き、何ともロマンチックです。今夜のテーマ曲は、松本伊代の「センチメンタルジャーニー」ですね。眠くなったら、このまま眠る。そして目覚めると目的地に着く。寝台車とは、何と便利で贅沢な空間なんでしょう!
 
明日は6時27分着・34分発の岡山駅で「サンライズ瀬戸」と「サンライズ出雲」の切り離し作業を見るので、それに合わせて起きようと、枕元の備え付き目覚まし時計をしっかりセット。ラインで妹にもモーニングコールを頼むという普段にはない念の入れようです。
このベッドの下のゴトゴトという音と揺れが、乗り鉄には最高のゆりかごなのです。おやすみなさ~い。
 
朝の5時前、いきなり予定よりはるかに早い朝の1発目の車内放送。「前を走る貨物列車が鹿に衝突したため、現在30分遅れです。終点出雲市駅には最終的に1時間の遅れで到着の見込みです。」
「ジャーン・バルジャ~ン(あぁ、無常)!」そういえば、寝ている間にどこかでビミョウに長く停車していたような・・・。
既に帰りの列車は手配してあるので、出雲大社の滞在時間が単純に1時間減少か?もしかしたら、楽しみの「出雲そば」にもありつけないかも??
でも、ここで焦ったら「セレブ女」の名が廃る。カットリンゴを楊枝でブスッと突き刺しつまみながら、動ぜずに始発前の静かな街並みを眺めるとでもしましょう。


 
 洗面所で歯磨きも終わり、さわやかな朝

もちろん次の予定・乗り換えのために先を急ぐ乗客も一部いらっしゃるわけで・・・。
車掌さんが車内放送で、新幹線の朝1番列車を使った各方面への振り替え輸送の案内を何度も繰り返し放送します。そうか、姫路で乗り換えれば、どうにかなるのね。多分、このスピード時代に寝台車に乗ろうという奇特な人たちは、それさえも楽しもうとしているのでしょうが・・・。
 
岡山駅で切り離し作業がいつもより急ピッチで無事終了。列車が遅れているのに、写真撮影をしている人達の何とうれしそうな顔・顔・顔。私は、JRの運転手や車掌交代の挨拶放送が大好き。イントネーションも少しかわり、旅して移動しているのを耳から実感するひと時です。
この後は、倉敷を通り、中国地方をゆっくり北上していきます。


 
 正確かつ迅速な手作業

予定通り(遅れて)、出雲市駅に到着。走ってバスに乗り換え、出雲大社まで。GWを控えた参道では露店の準備を着々としています。まだ空いている境内を足早に歩き参拝したら、近くの歴史博物館に立ち寄り、帰りはカワイイ2両編成の一畑電鉄で元の出雲市駅に戻りました。本数が少ないので、この間ずっと乗り遅れないようにと、時刻表メモを握りしめていたのは内緒。事前に調べた駅前の店で「出雲そば」を食べ、お土産を少し買って、帰りの「特急やくも」に乗車です。この「ゆったりやくも」は、振り子方式で「ぐったりやくも」の異名もあるけれど、今回はそんなに揺れを感じなかったのは、ここまで長~い1日だったからかしら?岡山駅のいつもの売店で夕食用に駅弁を買って、「新幹線のぞみ」に直行。おぉー、久しぶりの混雑した車内。日常生活もだいぶ戻ってきたみたいです。


 出雲大社の鳥居前。次の宝くじはここで!


    
 一畑電鉄(ばたでん)コトコト走る

 
「姫御膳」名前のわりにボリュームあり


   
 特急やくも(ゆっくりやくも)
 
旅の帰り道、いつも東京駅から自宅まではあまり覚えていないのです。余韻に浸っているのか、それほど体と脳が疲れているのか。あれ?サンライズ出雲の外観写真が無い。無いわ。
そろそろJR九州の車両が恋しい今日この頃。あぁ、遠くへ行きたい。心も体も。 K/T

 

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