常任委員のつぶやき

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安藤ルミさんの華麗な陶器の世界

2023年の秋にお送りした松操会誌の表紙を覚えていらっしゃいますでしょうか。

去年の会誌の表紙を飾った、艶やかなリンゴが描かれたお皿「実のり」は、37回安藤ルミさんが大倉陶園チャイナペインティングスクールで絵付けをした作品です。

今日はそんな安藤さんの絵付けを拝見しに、同窓生3人と有楽町マリオン11階で行われていた「大倉陶園チャイナペインティングスクール 第16回作品発表会」にお邪魔してきました。


 


大倉陶園の熟練ペインターの先生たちが、伝統ある描絵技法を基礎から研究まで指導してくださるというペインティングスクールの作品発表会は、さまざまな美しい絵で溢れかえり陶器の花園のようです。

安藤さんの作品は、エレガントなトーンで描く花や鳥が多いのですが、発表会に出展されている皆さんの絵を見ると、人物像あり、風景あり、絵巻風あり、驚くほどにさまざまな画風の絵付けを見ることができます。

陶器に絵を描く同じ絵付でも、描く人の趣味の違いが幅広い画風を生み、絵によってタッチやトーンもそれぞれ違うので、会場を一周しても飽きることがありません。

フラットな陶板の上に安藤さんが描いたのは、ふんわりと春らしいフラワーブーケです。



 

こちらは安藤さんの描く鮮やかなブルーの翼が美しいコルリのカップです。

海外の画集などで自分が絵付けしたいと思うカットを選び、忠実に絵を再現していくそうです。

大倉陶園の硬質磁器の白生地に絵付けをし、それを焼いていくそうなのですが、その回数は平均4~5回ほど。最初は全体に色をのせて焼き、色の乗り具合を見ながら濃くしたい部分に色をつけ足し、さらに焼くことを繰り返しながらディテールを描き込んでいく、結果として制作期間は半年ほどかかるそうです。

このコルリさんも半年かけて成長したと思うと感慨深いものがあります。  


 


月の光の中でぽつんと佇む鈴蘭を描いたような青いお皿も安藤さん絵付けによるものです。

青の濃淡を美しく表現されたこちらのお皿は、「岡染め」という大倉陶園独特の技法で絵付けしたそうです。

一度焼いた白い生地にコバルト絵具で絵付けをし、再び1460度の高温で焼成します。その高温によりコバルトの青い色が釉薬と柔らかく融合し深みと優しさを加えながら美しい文様を作り上げるといいます。


 


会場の前で同期が集まってみました♪

いつも絵付けのことをたくさん説明してくださる安藤さん、ありがとうございます!安藤さんのおかげで定期的に集まって素敵な作品で目の保養をさせていただいています。

次回は今月の16日(木)から国立新美術館で行われる「第7回東京アート工芸公募展」に作品を展示されるそうです。安藤さんの描く華やかな絵付けの世界をご覧になりたい方は、ぜひ足をお運びください。


 

yoco.y


<安藤ルミさんの今後の展示予定>
●第7回東京アート工芸公募展●
会期:2024年5月16日(木)~26日(日) 休館日5月21日(火)
時間:10:00~18:00(入場17:30まで)
会場:〒106-8558 東京都港区六本木7-22-2 国立新美術館 3階 展示室3A
https://www.tartk.or.jp/kokusaikoubotokyoartkogei2024kaisai.html

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