常任委員のつぶやき
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2023年3月24日
高校60回青柳さんが中原中也賞を受賞しました!
三輪田学園の生徒だった時、違う路線のお友だちと離れがたくて、学校のまわりを延々とおしゃべりしながら散歩したことはありませんでしたか。校門を出てお友だちとしゃべりながら歩いていると、いつのまにか神楽坂や神保町のほうまで来ているようなこともありました。
三輪田生に馴染み深い神楽坂に可愛い古本屋兼オープン・スペース「コ本や honkbooks」さんを立ち上げられたのが、今回ご紹介する高校60回の青柳菜摘さんです。
東京藝術大学を卒業された青柳さんはアーティスト「だつお」さんとしても有名で『美術手帖』や『現代詩手帖』など数多くのアート誌・詩誌で取り上げられています。
また先月は青柳さんが上梓された詩集『そだつのをやめる』が第28回中原中也賞を受賞し、大きな話題となっていました。受賞のお知らせと共にコ本やさんで販売されていた『そだつのをやめる』は、瞬くまに売り切れになってしまったそうです。
そんな青柳さんにお会いしたくて、三輪田学園からほど近いコ本やさんへお邪魔してきました。
場所は早大通りと江戸川橋通りがぶつかる山吹町交差点から、ひょいと奥神楽坂に抜ける小道をのぞきこんだところにあるビルの2階です。

階段をのぼり扉を開けて中に入ると、明るい店内に鉄と木材を組み合わせた個性的な本棚がランダムに立ち並ぶ、ちょっと不思議な本屋さんがありました。
平日の昼間ですが、何組ものお客さんが真剣に本を選ばれています。
所狭しと並ぶたくさんの本に半ば圧倒されながら眺めていると、三輪田学園が「読書の三輪田」と呼ばれていることを思い出しました。
東京藝術大学を卒業され、アーティストとして活躍される青柳さんが、なぜ「本」を扱うお店を始められたのか、お話を伺ってみました。

コ本やさん、実は神楽坂で3店舗目。最初は、大学院を卒業をする際に仲間の何人かで、思いついたことをいつでもできるような場所を作れるといいね、そんな話から始まったそうです。
タイミング良く青柳さんのおじいさんが地元・王子で場所を貸してくれることになり、ここで何をしようかと話し合っているうちに、3つの目標ができました。
ひとつめは自分たちのアイデアを実現しながら生計をたてていきたい。ふたつめは町に馴染む、地域の人がふらっと遊びに来られる場所にしたい。みっつめはコ本やがあることで、王子の街に文化を還元できるといい。
それだったら、昔から好きだった本を中心にオープンなスペースを作っていくのはどうだろう。仲間だけでなく街のみんなが集まってくれるような、そんな古本屋さんがいい。それが今のコ本やさんになりました。
「コ本や」という名前は、日本語のひらがな・カタカナ・漢字すべての文字を使って見た目に面白さを出しながら、「コ」には「個」「古」「小」…など、さまざまな意味をこめていて、ジャンルにこだわらず本を扱う本屋さんをイメージしているそうです。
王子のあとは池袋に移転し、そして3店目となる神楽坂にも一緒に連れて来たのは「コ本や」と書かれた看板です。手前に飾られた青いボードにはクラウドファンディングの告知がなされています。

ちょうど私立中学校の受験期間にお邪魔したので、休みだった中学生の娘も一緒にお邪魔させていただきました。
娘と同じぐらいの時、どんな中学生でいらっしゃったのでしょうか。三輪田時代の青柳さんのお話も伺ってみました。
「だつお」さんというあだ名は小さいころからのもので、所属していたイラストレーション部でのペンネームも「だつお」だったそうです。
小さな頃から絵本が大好きで、中2の時に高2の先輩と絵本を作ったのがとても楽しくて、それからずっと絵を描き物語を作り続けていきたいと考えていたとのこと。
アートでも、人の集まる古本屋さんでも、物語を紡ぎ続けている青柳さんのお話を、娘は感銘を受けながら聞いていました。この素敵な場所に、本を読むのが大好きな三輪田の生徒さんが職業体験に来たらとても楽しそう……そんな想像をしてしまいました。

置いている本は多岐に渡ります。絵本もたくさん置いてあるので、近所のファミリーの方も覗いてくださるそうです。
アートの発想を広げるキッカケとなる本やオリジナルのバッグ、雑貨なども置いてあり、ひっくり返されたオモチャ箱のような、次の棚には何があるかわからない不思議で楽しい世界が広がるコ本やさんです。

コ本やさんは本屋としての側面も持ちつつ、アーティスト青柳さんたちの活動の場でもあり、そして街の人たちがふらっと入ってきてイベントに参加していくオープンスペースの顔も持っています。
一番奥のテーブルでお話を聞かせていただいたのですが、ここでは東京藝大の社会人向けのノンディグリープログラム、RAM Associationのプロジェクトも行っているそうです。先日開催された勉強会のテーマは「お面」、どんな会だったのかとても気になります。

神楽坂に引っ越してきて、三輪田の近くにいることにワクワクしているという青柳さん、本やアートが好きな三輪田生や卒業生の皆さんにもふらっと来ていただけると嬉しい、とおっしゃっていました。
そんな青柳さんの近況と、クラウドファンディングはこちらからチェックしてみてください。売り切れになっていた『そだつのをやめる』も下記のURLで再販を行っています。

<ホームページ>
青柳菜摘/だつお
http://www.datsuo.com/
コ本や
https://honkbooks.com/
『そだつのをやめる』再販ページ
https://honkbooks.base.ec/
<インスタグラム>

https://www.instagram.com/realdatsuo/
<Twitter>

https://twitter.com/datsuo
<コ本や クラウドファンディング>
https://honkfunding.com/
どこまでも広がる可能性を感じられるコ本やさんは、クラウドファンディングによる寄付を募集しています!
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